1年生向けRefuteの資料
0.はじめに なぜRefuteが大切なのか??
最近1年生からRefuteが分からない、という声をよく聞きます。恐らくJudgeの人から「RefuteがRefuteになってない」と言われたり、「ここへのダイレクトなRefuteはあった」などRFDにしょっちゅうRefuteへの評価が登場することが原因だと思います。なぜRFDにRefuteの評価がそんなに登場するのか。Judge目線で考えると、Judgeはfairでなければならない以上、Refuteされていないmatterはコンストのレベル通りに取らなくてはならず、またRefuteされたままのmatterはそのRefuteの強さにもよりますが原則とりにくくなってしまいます。もしRefuteされたままのmatterを強くとりすぎてしまうとRefuteした側にJudgeの介入と受け取られかねません。だからJudgeはRefuteに注意を払ってラウンドを見るのだと思います。そのように考えてみるとRefuteがRefuteになっていない、といった類の言葉がRFDに登場するのも道理なのかな、という風に思います。だからこそRefuteをすることは大切なのだと思います。
この資料は、そんな風にRefuteがRefuteになっていない、Refuteをする場所が違う、と言われ続け、先輩方からいただいたアドバイスやラウンドの反省などを書き留めていたノートから、Refuteをするという作業において汎用性のありそうなものを抽出して資料の形にしたものです。Refuteについての資料なのでこの資料への反論も大歓迎です。また作っている私自身も自分が発展途上にいる以上この資料も発展途上にあると思います。ですから読んでくれている人がこの資料を基に自分の中でこの資料を膨らませてくれたり、さらにその膨らませた資料を様々な形で発信してくれたりしたらすごく嬉しいです。
Ⅰ.Refuteにおいて何が大切なのか??
Refuteをするときは、どこに反論するのか、そしてどのように反論するのか、つまりWhereとHow、この2点が大切です。なぜなら反論する場所が間違えていれば内容が良くてもRefuteとしての価値を持ちえず、また反論する場所が適切でも内容が伴わなければそれはRefuteとしての効果を持ちえないからです。勿論見せ方やワーディング、場合によってはレトリックなども効果的です。ラウンドによっても変わりますが、個人的にはWhere、How、見せ方、この3点のRefuteにおける重要度は2:2:1くらいなのかな、と思っています。
よって以下では、上の要素3つについて順に見ていくことにしたいと思います。
Ⅱ.どこに反論するのか WHERE TO REFUTE ??
以下、Aどこに反論するのかを理解するために必要だと思われる前提の概念を簡単に紹介します。その上でB一例になりますがRefuteの方法について紹介したいと思います。
A.反論する上で理解しておくこと
1) Listen like a JUDGE!! 正確に人の話を聞くことは案外難しい。
反論する場所を見極めるためには、当然よく相手の話を聞かなければなりません。相手の話を聞く目的は3段階あります。
First Stepとしては相手の話のアウトラインを理解すること。これが出来ていないと相手が言ってもいない分析にRefuteをすることになります。
Second Stepとしては相手がどこまで言っているのかを聞き分けること。これをすることによって相手のアーギュメンとの強さ弱さを判断して指摘することも出来ますし、相手が何をコアに言いたいのかを判断することもできます。
Third Stepとしては、First Stepで把握した内容を言う時に本来相手が言わなければならないであろうこととSecond Stepで把握した実際に相手が言ったことの間にある乖離を確認します。こうすることで、相手のどこが弱いのか、相手にとってどこが証明しにくいのか、その証明しにくい部分はこちらから指摘するのに十分価値がある部分なのか、そこを攻めて自分たちの勝ちにつながる程なのかなどを把握する材料とすることが出来ます。
つまりスピーチを聞くことがかなり大事になります。以上のようなことをするためにどういう事を考えながらもしくはラウンド前に考えておいて相手のスピーチを聞くことが必要なのかを以下で考えます。よく考えてみると日常生活でも相手の話を聞かないと深みある会話や返答ができないことと一緒なんですね><勿論直前にあれもこれも反論やら原稿やらを準備したりで大混乱みたいなこともあるかと思います。そんな時はせっかくチーム3人もいるんだから、役割分担をして聞くことをsupportしてもらえるようちゃんと頼むべきだし、パートナーも快く引き受けてあげるのが良いと思います。全員がひまな時間なくDebateできた時の方がなんとなく楽しい気がします!
2 )Feasibility 全部のmatterに反論するなんて無理だと思う。
全部に反論するのは不可能
ってことは全部に反論しなくても勝てる…はず。
それなら、どうやって反論に濃淡をつけるのか??
一番単純な答えは、反論する場所と反論しない場所を見分けることです。
まずはどこに反論をするのかについて、ずばりStrategicになろう!!
Motionにもよりますが、Motionにはほぼ必ず両サイドにある程度の負荷とやりやすい点とが多分用意されているはずです。
Strategyの定義はいろいろあると思いますが、ここでは自分のサイドに不利なところ(つまり相手に有利に働くポイント)を何とか水かけに持って行って自分に有利なポイント(つまり相手に不利にはたらくであろうポイント)では必ず相手を上回る、というのが基本のstrategyだとします。それを踏まえた上でRefuteのバランスに気を配れれば勝ちにつながるために必要なRefuteをできると思います。
両サイドとも様々言えることはあると思います。Gov.から出るだろうお金がもらえるのだからPractically good.というポイントは比較的残りやすいように思います。(Opp.からこのindustryの危険性を指摘することはできても一定の人数はお金をもらえるであろうこと、そしてこのディベートにおいてはGov.はそれほどメカニズムを詰めずに済むことなどからです。) 一方でTHが3rd world であるだけあってFree choice,つまりRationalityの話で確実に勝ちに行くのは難しいと考えられます。(もちろんRationalityの丁寧な説明は必要ですが、結構Rational Irrationalはどっちもありそうな感じでDebateが終わることが多いように思います。)
以上から、Gov.としては最低限Rational Irrationalを水かけに持って行って、相手のHarmを切った上で自分たちのBenefitを守り抜くのがいい、というStrategyを立てたとします。つまりEven if irrationalであってもPractically goodとし、HarmとBenefitのCompareで逃げ切るという感じです。
この時のRefuteをどうするのか。大前提として(特にsecond、third speakerの場合)前に話した人のコンストの立ち土合であったり相手のRefuteのやり方であったりに依存する部分は結構大きいのは事実です。つまり大切なことは自分のStrategyに沿ってラウンドを考察することだと思います。Rationalityに関してのlogicが自分の前のスピーカーの時点でかなり出ているのなら軽くRCし、相手のIrrationalityへのRFは軽くにして時間を短縮し、その時間を使ってHarmを切り最後に丁寧にCompareした方がいい。逆に前のスピーカーの時点ではっきりとRationalityが負けていると判断したら、そこはがっつりRCとRFをしないとそこを水かけにもっていけずに相手の比較的強いポイントに負けてしまう。勿論Practicalも押しますがそこの比重が少し変わってくると思います。(前のスピーカーの時点でRationalityが大敗北している場合、そこはほとんど守らずにPracticalを思い切って伸ばしにいくのも賢いかもしれません。)
このように、Strategy、つまりどこでどう勝ちたいのかにそってRefuteの厚さ、比重を考えることが重要になってきます。これをするにはやらなければいけないことが2つあって、1つめはプレパ中にクラッシュをマクロに予想すること。これが出来ないとどこで勝ちに行くのかのどこの部分が把握できないことになります。2つめはラウンドを強弱をつけてよく見ること。確かにラウンド全てを最高の集中力を保って聞ければそれにこしたことはないのですが、ラウンド中は自分の方を考えたりRFを考えたりですごく忙しい。だからこそ予測したクラッシュをもとに必要な部分を相手がどこまで言っているのかを聞く。上の例だったら相手のIrrationalityはどこまで説明されていて相手のRationalityへのRefuteはどの程度なされているのか。そこはしっかり注意を払ってきく必要がある、ということです。
繰り返すようですが、Strategyを考える利点はRefuteをする場所の比重をラウンドにそって自分のサイドの勝ちにつながる形で考えられるという点にあります。ですからコンストをする前のスピーカーともある程度どこで勝ちに行くのかの意識は共有した方がいいのもあります。こうしてみるとプレパの時間の大切さが身に染みて分かります。
次にどこに反論しないのかについて・・・ずばりConsensusをさがそう!!
自分たちもAgreeする所にRefuteしても、それは時間の無駄だし自分たちを削ってしまうことにもつながりかねません。逆にここまでがConsensusである、と示すことでRefuteの無駄を省き必要なところへのRefuteに集中することができると思います。そしてこれを明示することはJudgeにとっても親切だと思います。
Gov.がSQでTeacherはsalaryが一律だからAdditional effortsをするincentiveがなく、APではMoneyによって行動が変化する、というところまでのAnalysisをしていたとします。
Opp.としては、(SQのProblemへのstanceの検討はここでは省くものとして)まず自分たちはお金の変化によってTeacherの態度が変わるということにはOpposeしないと思います。なぜならOpp.として出るだろう分析はAPでTeacherがお金のためだけに一定の生徒を贔屓したりすることやそれに付随するHarmだからです。
したがって、Gov.が言っているMoneyが大きな力を持つからTeacherが変わるよ、という部分はConsensusですが、問題はその「変わる」が「どういう風に」変わるのか、という部分だ、という風にした上でRefuteをすればいいということだと思います。そうすれば無駄なRefuteもしないし、Judgeから見ればDebate全体が見えているのかな、という印象をもつ事が出来るようにも思います。
Ex) THW make the developmental aid conditional to the countries who
oppress women.
Gov.はこのmotionによってWomenのRightを向上させたいところですが、Opp.からすれば、女性の権利向上はConsensusとして、このmotionの方法が良くないというスタンスで戦うことになるかと思います。(まさか女性の権利向上が不必要というスタンスはありえないと思うので。)よってConsensus以外の部分、つまりGov.が言う部分では、どうしてこの方法がUniqueにいいのか、という部分に注目してRefuteすればいい、ということです。どこまでをConsensusとするかは当然チームのstanceにも関わります。特にOpp.の時にはチーム内の全員が、motionのどのWardingにはAgreeしてどのWardingにOpposeするのか、という線引きをPrep.はっきりとさせることがはやくround内におけるConsensusをつかむために有益である、といえると思います。
0 件のコメント:
コメントを投稿