2013年2月28日木曜日

Whipをはじめてする人へ その4


番外編

こんばんは。Asianの大会ではやくも1年生チームがブレイクするというとっても嬉しいニュースが飛び込んでくる今日この頃ですね。その一方で、「あのー今度の大会でWhipをするかもしれないんですけれども…」というちょっと不安な声も聞こえてきます。今回は前回までと体裁を変えてよく聞く質問について、少し書いてみたいと思います。

   Whipってプレパ何したらいいんか分からないんですけど。」
       「Whipっていつ原稿とか用意したらいいのか分からないんですけど」
      WhipってNewを話すべきなの??話しちゃいけないの??

    

 

よくある質問 第1位「Whipってプレパ何したらいいんか分からないんですけど。」

 

 確かにAsianのプレパは30分と長いですし、OWだと結局motionリリースされてから話し始めるまで1時間以上あと。しかもRefute専門~なんて考えていると相手の出方次第だから何したらいいのか分からないなあなんて考えてしまうかもしれません。

 ですが…

大切なこと=Whipだからといって特別なことは何もない!!という意識を持つこと

 前回まで書いてきた内容をよろしければ思い出していただきたいです。Refuteをする場所について考える時に使った概念等は決してRefuteに特化した概念ではなく、コンスト、というよりはDebate全体をマクロに見る時にも使う概念だったように思います。プレパが始まって考えることは今までのプレパと大きくは変わらないはずなのです。Whipもスピーカーの一つなわけです。

 

 これを読んでくださっている方は、いつもプレパが始まる時に何から考え始めますか??

私は、なんでこのmotionなの??このmotionなんなの??ということをBPでもNAでも最初に考えていました。それなのに初めてWhipをさせてもらった時の大会では、プレパが始まった時に何か特別なことを考えなくちゃいけないと焦ってあわてて相手の言うこと個々について考え始めてしまったりしていました。しかし、よく考えてみると、今までの自分なりのプレパにおける思考の方法とか順序とか、そういうものが一定あるにもかかわらず、ロールが変わったからといって、むしろ慣れないロールをしているのに、いつもと違う思考方法をするというのは二重の非効率のもとだったようにも今になっては思います。ですから私自身はAsianWhipをする時にも必ずなんでこのmotionなの??このmotionなんなの??と、とりあえずは考えることにしています。

 

 ロールを変えたことでプレパまで大きく変えなきゃいけない、そう考えていませんか??

ロールが変わったからといってディベートでやらなきゃいけないことは変わらないはずです。

 

質問への答えは

Whipのプレパと身構えずに、今まで通りのプレパに立ち返ってみてください

②プレパで焦るのがいやなら、自分がmotionを見てまず最初に何を考えるのかを決めておいてみてください

 そうすることできっと焦って無駄な時間を過ごすこともないでしょうし、そのラウンドにおいて何をかんがえなくてはならないのか、見えやすくなってくるかもしれません。

 

 

よくある質問 第2位 「Whipっていつ原稿とか用意したらいいのか分からないんですけど」

 たしかにRefuteをする比率が多い以上、相手の言ったことをカンファメしてRefuteしてクラッシュに組み込んで…となると忙しいですよね。直前に準備したいものの、ラストのスピーカーである以上、直前のスピーカーへの反論はドロップできないから聞かなきゃいけない(これはかなり重要なロールの一つだと思っています。)

となると、一体いつ準備したらいいのか分からなくなってしまうのも当然なんじゃないかな、と思います。

 準備ができない、という切迫感の裏には、Whipはやることが多いし直前まで用意できない、という観念があるかと思いますが、これが本当なのか、少し考え直してみてください。

 

  以下大まかなロールベースで見ていきましょう。

 クラッシュ…プレパ中に大まかに予想できたら、ラウンドが始まってからあわてて考える必要はありません

よね。じゃあどうやってクラッシュを予想するのでしょう??

 

 原理的に考えれば、クラッシュは相手と自分がぶつかるところである以上、LOが最初に反論するところがクラッシュになるはずです。(だからプレパ中にクラッシュについて考えられなかった、どうしよう、という時にも、相手が上手なLOなら最初に時間を割いて反論した所に注目すれば自然とクラッシュは見えるはずです。)

 クラッシュを予想するのは経験に基づく場面もあります。この時に役立つのはJudgeさんにもらうリフレクです。Judgeの方がクラッシュベースでRFDを言う時それにしっかりと耳を傾けてください。ここに言うしっかりと聞くというのは、ただメモをとって頷くとかそういうことではなく、なんでJudgeの人はこのクラッシュをクラッシュにしたのだろうか??と他の言動の端々から考えるということです。そして自分の見方とどう違うのかを考えるということです。

 勿論そうした原理や経験を積むというだけではなく、

 個人的に大切だと思うのは、それらを自分が使える形として、持っている、ということです。

 個々のroundを復習することは絶対に必要だと思いますが、そこだけにとどまっていてはそのほかのroundには対応できない、ということになります。つまり一つ一つのroundから一定の捨象、類型化を行ったうえで自分なりの形を持っておけば、Motionが始まってからああでもない、こうでもない、と考えずに、自分が類型化した枠の中で当てはめてみたり、その枠を基本として考えてみることも可能なのではないか、と思います。

  そしてこの作業はmotionがリリースされる前に完了できる作業のはずです。

 

もちろん、クラッシュは予想するだけのものじゃなく、作るものでもありますから、パートナー

とこのディベートはJudgeの人にどう見てほしいのか、という部分について、十分に協議する必要があります。これはmotionがリリースされてからでないとできない作業ですが、この作業でさえも、プレパ練などを通じてパートナーとの思考や相性なども考えることが出来れば

一定はmotionがリリースされてからの負担を減らすことが出来るかと思います。

 

   反論…確かに相手が言わなきゃ反論は予想できない、と考えがちですが、決してそうではないと思います。

      ここで注意していただきたいのは、数うちゃあたる方式から的を絞る思考に転換することです。

      相手の言うことを枝葉末節まで予想してすべて切りきるスーパーディベータ―の方もいらっしゃると思いますし、実際私はいらっしゃると思っています。ただそれをみんながみんな最初から出来るわけではない。だからこそ、本当に太い相手のlogicはどこなのか、と考えてそこへのRefuteを集中的に行うことが必要とされているのだと思います。簡単に言うと、優先順位の問題です。

やることが多いと思うなら、やるべき反論に優先順位をつけましょう。

      この優先順位の付け方はこれまで説明してきた概念(Bottle Neck)等で考えることも可能だし、直感的に相手のここが強いな。ここが分かりやすいな、と思う部分がおそらく優先順位の高いRefuteの部分になるのかと思います。こうした部分について一度に考えることは確かに不可能ですが、概念や考え方について、身近にいる先輩に質問したり、練習の後、リフレクを振り返りつつ、優先順位をつけなおすなどしていくうちに、少しずつ優先順位は的確につけられるようになるのではないかなと思います。

      優先順位がつけられれば、その順位の高いところへのRefuteをプレパのうちにいくつか考えておくことも可能かと思います。そうすることでラウンドを見る際に一定の軸が出来るし、ふわっとした話になりますが、まだ何も準備できてない、という心構えよりは少しゆったりとした心構えでラウンドに臨めるようにも思います。

 ここに列挙したのはあくもでも一例です。

  人によって課題が違う以上、ラウンド前に準備しておかなければならない事も違うとは思います。

    ただここで強調したいこと、そして質問の答えはすごく単純で

  いつ用意したらいいか分からないほど、直前が忙しいのなら、むしろmotionリリース前に自分なりの、そして自分だけもプレパをして見るのもいいのではないでしょうか??

ということです。

 

よくある質問第3位 「WhipってNewを話すべきなの??話しちゃいけないの??

 

 こんなリフレクをしてもらったことはありませんか??

  Whipが何も新しいこと言わなかったよね、繰り返してただけだよね?」

  「WhipからのmatterNewすぎて取れない、あまり強く考慮できない。」

 

 私は去年こういったコメントをリフレクのコントラだと密かに呼んでいました。Newなことを言っても

言わなくてもだめ。結局はバランスが大切という、初心者には正直何の助けにもならない結論にしか到達しない。そこで少しリフレクを解体して考えてみましょう。

 

Whipが何も新しいこと言わなかったよね…‘何も’

→直前のスピーカーに対する反論は、それがスピーチの一部であってもNewになるのでは??

 

繰り返してただけだよね…‘繰り返し’

 →ワーディングを変えるだけでも繰り返しではなくなるのでは??

  パートナーが言ったことを、相手とのコンペアの形式で示すだけでも繰り返しにはならないのでは??

 

matterNewすぎて取れない…‘すぎて’

NewでもNewすぎなきゃとれる

 NewmatterNewっぽくなく見せる

 (相手への反論の形で示すことは、これまでのroundと絡んでいる感じを出せる点でNewっぽくないのではないか??)

 

このようにJudgeの方のリフレクを考えたり、繰り返し見直したりしていくと、そのコメントが決してコントラなどではなく、それぞれが指すNewが性質的に異なっていること、そしてNewの性質は見せ方次第である程度操作可能なのではないか、と考えられます。

 

上記のように考えた私個人として思うのは

 

 WhipNew matterを必要ならどんどん出すべき、それがラウンドにおいて必要ならそうするべき。

 必要なことがベンチから出なきゃ、いずれにしろ負けてしまうので。

 勿論不必要にNewを出すことよりは、直前のスピーカーの‘New’な部分に丁寧に反論するべき。

 

 ただそうしたNew matterは、

 それまでのroundと何等かの形で絡めることでそのNewという性質を和らげることが一定可能で、

 絡める、という典型的な形態が反論になるのではないか 要はデリバーの問題

 

という所です。

ここの部分に関しては、自分なりにある程度納得できる基準を持って、ラウンドをしてみて、そしてラウンドの後にリフレクをもらって質問して、そういう過程で自分なりの基準を修正していくのが良いのではないかな、と思います。私自身も軌道修正の最中で、まったくをもって短い言葉で質問への答えを表現することができないのですが…

 

以上、なんとなくですが、よく聞く質問、そして自分自身が去年の今頃よくしていた質問とそれに対する見解を書いてみました。前回までの記事よりも個人的な見解や主張が強くなってしまいましたが、それでもこうした一つの主張などが、Whipを考えたい、と思った時の一つのたたき台になればいいな、と思います。

 
読んでいただきありがとうございました。

Whipをはじめてする人へ その3

 こんばんは。タイテックカップなどで初めてAsianの大会に出るという人もいるのではないでしょうか。OB、OGの方と組ませていただくのは貴重であるだけに、緊張してしまったりすることもあるかもしれませんが、出場される方が日頃の練習の成果を発揮できることを祈っています。(*^^*)


 

          先週までの流れ

0.はじめに なぜRefuteが大切なのか??

.Refuteにおいて何が大切なのか??

.どこに反論するのか WHERE TO REFUTE ??

A.反論する上で理解しておくこと
        
   B.どこにRefuteするのか、方法論

 




.どう反論するのか HOW TO REFUTE ??

 どこに反論するのかを考えた後、次に大切なのはどのようにRefuteするか、です。Refuteをどうするか、基本はアーギュメントを言うときと同じく分かりやすくいう事です。プラクティカルなら可能ならAREAで説明するように心がけたりするとよいでしょう。ただ自己満足的に相手を切るのではなく、Judgeに切れていますよ、相手の言っていることは違うんですよ、と伝わっているのかどうか、という視点から考えることが大切です。

この前提を押さえた上で具体的にどのように反論するのかについて汎用性の高いものを中心に見ていきます。

 

1) Philo.の切り方

 Philo.を切るのは2通りあります。①相手のcriteriaを否定する、②相手のcriteriaを認めた上でapplicabilityを切る。この2点です。そもそもPhilo.というのは基本的に線を引くもの。①ならその線引きの観点自体が違うといい、②ならその線引きの観点はあっていても、このmotionのケースにおいて違うのだということを言う、ということになります。ただし③もちろん例外もあります。

 Criteria自体を否定する時

  この方法は経験上難しくまた数も少ないと思います。なぜ難しいのかというと、相手のcriteriaが間違っているということは、すなわち自分たちの側から新しいcriteriaを提示することになり、ついつい自分たちのcriteriaを押し付けているかのようにJudgeがとりがちだからです。この時自分たちの押し付けRefuteを避けるためには、相手のcriteriaの反例を提示し、さらに相手のcriteriaの観点があっていたとしても、その線引きの場所が間違っている、すなわち高いラインが必要であり、今回のケースにおいてはそのバーを越えていないのだというRefuteをした上で、自分たちの新しいcriteriaが正しいという見せ方をするのが良いでしょう。

 Ex) THBT attempted crimes should have the same punishments as those that were successfully carried out.

  結果無価値論と行為無価値論という法学上(特に刑法上)でも二つの価値理念がぶつかります。つまりintentionPunishmentcriteriaになるというGov.consequencePunishment criteriaになるというOpp.というのが基本のラインかと思います。Opp.consequenceが大切という話に対してGov.としては、現状でconsequence以外がcriteriaになっている反例、例えば自動車事故の過失致死犯のうち相当の注意をもってもその事故をさけることができなかった場合などに減刑されている例などを持ち出してConsequenceだけがcriteriaではないことなどを示し、さらに相手の言うconsequenceが大事な理由が相手のベンチをuniquesupportしているだけでなく、rehabilitationの観点からこちらもサポートしえるとフリップするのが一番engageしているように見えるかと思います。その上で自分たちのアーギュメントを立ててあげるのがいいのかな、と。さらに言うとapplicabilityの観点からもRefuteできて、Opp.の言っているconsequenceの不確かさ、すなわち結果的には未遂犯になったけれどそれが未遂になったのはたまたま拳銃の操縦技術的に技術がなくて銃弾を外しただけ、などのような、caseを具体化することによって相手のいうcriteriaが正しかったとしてもその行為の結果と行為自体の連関が薄いことを示して相手の言う話を一定削ることもできそうな気がします。

 criteriaを否定せずにapplicabilityを否定する時

  Philo.Refuteする時はだいたいがこの形のRefuteになることが多いように思います。というのもまず前のスピーカーが立論する時点で割とapplicabilityが薄くなる傾向があり、さらに言うとcriteriaに反論するよりはRefuteしている感じが出しやすく、自分たちのアーギュメントやstanceから派生するRefuteが出やすいことなどがその理由です。

 Ex) THW legalize prostitutions.

  もちろん色々なstanceをとることは可能(例えばPractically good だけでいくなど)ですが、例えばGov.なら、choiceの話、つまりRationalCompareできる限りは一つのchoiceとして認められるべきという話ができると思います。恐らくBoxerConstructive citeWorkerの話がアナロジーとして上がりますね。この時どうするのか。Opp.はおそらくこのRationalitycriteriaになることは否定はしません。だけどこのケースにおいてrationalじゃないこと、つまりapplicabilityのところを否定することになります。ケース設定がthird worldなら、人々がお金に苦しんでいればいるほど先のことまで考える余裕がないとも言えますし、家族からのプレッシャーがどう働いているのかなどを具体的に説明することで十分有効なRefuteになると思います。

 ③上記の例外

 例外といっても結構多いのですが、philo.自体にRefuteできない場合があります。どういう場合かというとそれが完全にPracticalに依存している時などです。

 Ex) THW introduce a universal basic income.

 いろいろな分析が出るとは思いますが、Gov.ならGovernmentCitizenStableな生活を保障するべき、というPhilo.が出てくるかもしれないと思います。この時重要なのは、いくらPhilo.が立っていても本当にこのmotionをとることによってStableな生活が保障されるのかどうかという点にかかってきます。よってPhilo.へのRefuteはしないか時間をかけない、その分を丁寧にpracticalRefuteに回してあげればいいのかな、と思います。

 Ex) THW make obese citizens fully pay their own medical expenses.

  これも似たような感じです。確かにGov.からGov.が健康を守るべきという分析が出てくるかもしれないけれど、結局健康を改善できるの?それがこの方法じゃなきゃいけないの??という点にかかってくると思います。よってこの場合においても、このPhilo.がプラクティカルな結果によることを言って丁寧にRefuteする方がいいと思います。

2) Practicalの切り方

 Practicalは切る場所を間違えない限り大きな問題はないと思いますが、そもそも何を目指してPracticalRefuteをするのかを考えてみるとRefuteしやすくなると思います。

何を目標にRefuteするのかを少し考えてみます。その目標に近づくのにどうしたらいいのかを跡で考えます。

PracticalRefuteGov.に対してする時はだいたい4つの目標があるんじゃないかな、と思います。

Problemはそこまで深刻ではない ②ProblemがあったとしてもこれがUniqueな方法ではない ③Solvencyがない(故にBenefitはおこらない) ④Benefitがあったとしてもさほど重要じゃない。

逆にOpp.に対してする時にも4つくらい目標があると思います。

 もちろんこれらの目標に対する比重は、Motionによって、またはとりうるstanceによって変わってくるところだとは思いますが、基本的には上の4つの目標がベースになると考えて良いと思います。

 以上の8つを分析すると結局は①SQの分析、②各々のBenefit/Harmに至るmechanismの分析、③ImpactCompare、④MotionUniquenessの分析とまとめることができると思います。以下概論的にはなりますがそれぞれについて見ていこうと思います。

 SQの分析

  SQの分析をする前提として、絶対に現実世界を忘れないこと。Motionを見たときにぱっとProblemが想像できるようなmotionにおいてproblemを否定することは難しいです。そもそもDebatemotionになっているものは何かしらのproblemがあるからこそmotionになっているはずなので、ぱっとみてproblemが思いつくレベルのmotionではいたずらにproblemを否定したりとか、逆にそのproblemの分析ばかりに時間をかけすぎないことを勧めます。

  この前提を踏まえた上でSQproblemについて争いになる場合を考えたいと思います。SQproblemOpp.が何等かのRefuteで否定してきた場合には、Gov.は知っているならFactを出すこと、その上で相手のlogicRefuteし、さらにそのproblemをイラストするなどの対処をするといいと思います。逆にOpp.として相手のproblemを否定したい時には、まずそのproblemGov.の言うような理由で起きているのか、仮にそうだったとしても現状がそんなにひどいのか、などを考えてみるといいのかな、と思います。

  Ex) THW set a quota on females in the board of directors of business corporations.

  このmotionではOpp.problemを全否定することは厳しいだろうことを念頭においた方がいいですね。Gov.は女性が昇進しにくいなどのproblemを話すことになると思います。それに対してOpp.は女性だって能力があればある程度昇進できる、企業は利益追求団体だし。などの反論がきます。これによってOpp.は一定Gov.の提示したproblemがそこまでひどいものではないことを言えます。そしてOpp.は仮に今問題があったとしても法制度の改定に見られるようにある程度Gradual changeが起こりつつある。にもかかわらずこのmotionをとってしまうことは女性に逆風になる。という感じできたとします。この時Gov.としてはGradual changeに任せられないくらいのproblemが今起こっている、ということを証明したいですね。この時一番強いのは今実際に起こっているFactをいう事です。実際女性のboard of directors of business corporations.に占める割合は1ケタのパーセンテージです。(詳しくはリサーチしてください。) そして働きたい女性が働けないという不平等の中にある。いくら企業が利益追求団体であったとしても、たとえば同じくらいの能力を持った男女がいたら、例えば趣味があう男の部下を採用したりしている。などのRefuteをすることでproblemを守れますね。

以上からFactがある程度の強さを持つこともわかりますし、caseをより具体的にすることによってどのようにProblemが起こっているのかを明確に伝えられると同時に相手のRefuteの前提(企業は利益追求団体)を共有した上でRefuteができると言えます。またここで強調したいのはFactを使うRefutelogicへのRefute、2つの種類がある、ということです。覚えておくと今後役立つと思います。

②各々のBenefit/Harmに至るmechanismの分析

 相手のImpactが起こらないというためには、まず冷静に相手がどういうlogicで話しているのかを聞くことが1番大切です。その上で相手のBenefitproblemの間にあるパイプが太いか細いかを判断します。またはHarmmotionの間にあるパイプが太いか細いかを見ます。ここでいうlogicにたいするRefuteはそのパイプを切ってあげる作業と考えてもらえれば良くて、太いパイプでつながっているときにはしっかりRefuteしなければならず、あまり太くないパイプでつながっているときには軽くRefuteして他の所を伸ばすなり、Even if Compareした方がいいのかな、と思います。

 Ex) THW ban Death penalty.

 Opp.が死刑制度による抑止力がAPでなくなるから犯罪が増加する、というアーギュメントを立てたとします。この時Opp.のインパクトとmotionの間のパイプを確認してみると、死刑という強力な罰則が消えれば、自分が殺されることはないと思って犯罪をしやすくなるという類のAnalysisがパイプになっています。

 作業は次の3つです。

 まずパイプがImpactに行きつかないで切れてしまっていること

  死刑がなくなったから犯罪が増えるというのは少々乱暴な話です。死刑にならなくても重く罰せられることには変わりはありません。死刑に値するような罪は死刑がなくなったとしても、終身刑や無期懲役に処せられる以上、死刑がなくなったからといってすぐに犯罪がそんなに増えるかというとそうではないという風に思われます。

 次にパイプ自体がRefuteによってきれること

  犯罪者は犯罪を犯す時に死刑があるかないかなんて考えていないし、考える余裕もないくらいIrrationalになっていたりとか、そもそも性格的に自分の思った通り行動したいという強い傾向をもっているからこそ死刑に値するような犯罪を犯しているのだと思います。つまり死刑に値するとかあまり考える余裕はないために、抑止力はそこまで大きな意味をなさず、よってOpp.の主張するようなHarmも起こりえないと言えると思います。

そしてパイプが非常に少ないこと(Compareへの布石)

 仮に抑止力に意味があったとしても、上記のRefuteから、抑止力が意味をなす行為者はいたとしても少数であると言えると思います。よってOpp.のいうHarmはそれほど大きくはありません。この大きくないHarmと自分たちGov.が押すBenefitを比較した時に、Opp.のいうHarmを優先する理由はないと言えます。

 以上がPracticalでいうlogicを切るという作業の1例だと思います。Benefitそのものを切るんじゃなくて、そこにいたるパイプを切っているんだというイメージ…人それぞれイメージは違いますが、ただ自分たちのアーギュメンとを押し付けているだけ、と言われがちな人はまず自分の中でこうしたRefuteへのイメージを作ってみるといいと思います。

ImpactCompare

 たまにインパクトも完全に切ろうとすることを目指す人がいるかと思いますが、個人的には無理じゃないのかな、と思います。ディベートになっている以上は何等かのlogicBenefitHarmが起こるということが言えると思うので。加えてWhipの仕事は相手を切る、ということではなくて、ベンチとして勝つために必要な仕事をすることかと思います。故に自分たちのケースとコンペアをすることで勝ちを示してみてはどうでしょうか。

 この時に注意すべきことがあります。

 たまにただひたすら描写を加えてコンペアをする方もいますが、これは相当具体化するなどの特筆すべき表現がない限り、具体化だけで有効なコンペアをすることは難しいと思います。

 コンペアになれないうちは基本に立ち返りましょう。

 NAのディベートでインパクトを示す時に、Quality, Quantity, Term,など他にもあるかと思いますがcriteriaを習ったことかと思います。それと一緒です。自分なりのcriteriaを設けて、この点でコンペアした時に勝っている、という証明をしましょう。というのも、全ての場面において勝っているBenefit/Harm等はなかなか存在しませんし、fairであるべきJudgeとしてはディベータ―かたセットされたcriteriaに沿ってディベート全体を見直すことが可能になります。だからこそ明示的にcriteriaをセットしたコンペアは何のcriteriaを設けないコンペアよりも一定程度説得力があるのではないかと考えます。

 

MotionUniqueness

 本当にこのmotionじゃなきゃ解決しないの?? 本当にこのmotionだからHarmが生じるの?? など、Motionmatterのリンクに疑問を持つことから、Motionuniquenessについての反論が始まるかと思います。ここの点を意識することは、むしろコンストの際にも非常に有用かと思います。

 

3)補足する点

ここまであたかも形式論について書いてきました。勿論ラウンドの中では臨機応変に対応することが求められますし、人それぞれの考え方があるので、この形式論の有用性は限られたものです。

ただ個人的には、最初というのは型が大切なのではないのかな、と思っています。

思い出せば最初にサークルに入った時、先輩方に教えていただいたのは、AREA SQ APといったいわばDebateの型についての概念でした。ならばWhipを初めてやるときも、最初は自分なりの型を用意しておいて、だんだん慣れてきたらどんどん自分の思うように人によっては型を変形したり、人によってはもう型なんて無視してどんどんいい反論を飛ばすのも良いかと思います。最初は先輩が作ってくださったレジュメを見ながらコンストしていたのに、今になってはもうその紙がなくても話せるようになったみたいに。

こうした意図…どんな時でも基本に立ち返りましょう、という意図…のもとで、今回の記事は書きました。

参考になるところが一つでもあればいいな、と思います。

 

読んでいただきありがとうございました。