2011年9月9日金曜日

Japan Pre-Australs 2011 モーション解説 前編

Japan Pre-AustralsCAを務めたKDS4年の木村太郎です。

GFに関しては世界チャンピオン達がうまくやってくれたので、予選のトピックについて3トピックのうちから1つずつ選んで解説したいと思います。
                                                                                                                           
R1That we should ban mail-order brides

一般的にMail-order bride とは、国際結婚を斡旋する仲介業者を通じて経済的に貧しい国から豊かな国へ嫁ぐ女性のことを表します。そのとき女性の見た目やプロフィールをカタログのようにインターネット上などに載せ、男性がそれを見てマッチングすることからこのように呼ばれています。(ただこの呼び方は女性に対してオフェンシブであるという批判もあります。)主に東南アジアや旧ソ連の国々から、アメリカ、カナダ、イギリスや、近場で言うと韓国、シンガポールなどに嫁ぐケースが多いそうです。

今回はオーストラルが開かれた韓国の社会問題として、mail-order bridesが嫁ぎ先でうまくやっていけず、自殺するなどの事件が多発して問題になっていたためとりあげてみました。

Affとしては、mail-order bridesが嫁ぎ先でひどい目に合ってしまっているというのが基本的な押しどころでしょう。
まず「結婚」の分析です。結婚というのは人生の大部分を一緒に過ごすパートナーを見つけることであり、人生にとってとても重要である。また、多くの地域では離婚は嫌悪されているから、結婚とは代替irreversibleな選択である。
仲介業者の分析も重要です。貧困の中にある女性に、発展国での豊かな生活をちらつかせ、夫やその国に関する悪い情報は流さない。業者の悪い姿を色々イメージして分析を加えましょう。
また、Banする理由として、本来informed choiceがあるべき姿であるという前提で、「結婚のoutcomeってinformすること不可能じゃね?」とか、仲介を成功させて利益を得る仲介業者にinformさせるインセンティブを持たせることの難しさを分析しましょう。
その結果花嫁が不用意に外国に嫁いでしまい、性格の不一致や夫家族との不仲、周りに理解者がいない環境で母国に帰るお金もないような状態が続き、精神的に苦しんで自殺したりしてしまう。また、悪い夫にあたった場合はDVの対象となったり、家事をこなさせるためだけの存在として扱われたりし、人権侵害も起こりうる。
切り口を変えたポイントとしては、嫁ぎ先が結婚を重視している地域だと、mail-order brideへの悪いイメージからその家族や近所から悪い目で見られ、それが途上国の女性への偏見につながってしまうとか話してもよいでしょう。
うまい人は「カタログで選べる存在」という女性への差別意識が広まるというポイントも作れるでしょう。

Negは「花嫁と夫の両者のChoiceを広げる素晴らしいシステムだ」というスタンスで、外国人と結婚したい選好がある人や、様々な事情で国内での結婚ができない人のメリットを挙げましょう。また、経済的な理由で結婚相手を選ぶのも、properchoiceの一つだとも主張できるでしょう。それで苦しい貧困から抜け出せるなら多少嫁ぎ先が辛い環境でもその人にとって万々歳だし、別に途上国じゃなくてもお金目的で結婚する人いますもんね。それと何が違うんだと。
アナロジーとしてはinternational adoptionや普通のお見合いから分析してみるのもいいと思います。


R2That companies should not ask employees about their educational backgrounds

ケースは就活でも、就職後の昇進基準とかを含めちゃってもどちらでもよいでしょう。
ここで大事な考え方が、「みんなもやっているから、やらなければならない状況になっている」というコンセプトです。このモーションで言うと、人生の一大事である就職において学歴ばかり見られるから、小学校とかのころからみんな学歴競争をしている。本当はスポーツとか絵画とか、もっと勉強とは違うところに才能があってそれを伸ばしたほうがいいかもしれないのに、受験勉強ばっかやっちゃう。するとcompanyの側から見ても、採用選考を受けに来る学生がみんな学歴志向の人生を送ってきた人たちだから、学歴がメインの基準になってしまい、余計学生の学歴志向が高まる。つまり、“みんながやっているから”就職でうまくいくためには受験のための勉強をするしかないという、いわば環境ができてしまっているわけです。それが本当に子どもたちの将来のためになるのかというところが、Affの出発点になるでしょう。就職がいかに大切なイベントであるのかというところも、しっかり話しましょう。

一方Oppは正攻法で、学歴や受験勉強の良さを語りましょう。勉強を頑張ってきたことや、良い大学に入る頭のキレがあることは就職活動で評価されるべき立派な能力基準の一つであると。

両サイドともそこから会社や大学の話に広げるといろんなポイントが出そうですね!

(続きます)

木村太郎
慶應義塾大学経済学部4年。KDS所属。国際大会はAustrals(2009), WUDC(2010), Malaysia Iskandar Debate Open(2010) に参加。ICU Tournament 2010準優勝。スピーカープライズ、ジャッジブレイク多数。

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