2011年12月10日土曜日

リサーチのすすめ

こんにちは、加藤です。相当久しぶりの更新になってしまいましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
今回はリクエストにもあった「リサーチの方法」に関して少し書きたいと思います。
その前に、ざっくりとリサーチの重要性について。

◇ ◇ ◇

「ぶっちゃけパーラメンタリー・ディベートでは、嘘もつけるよね。」
「ロジックさえつければディベートと言うゲームでは勝てるよね。」

こういう噂・話を何回か聞いたことがあります。
残念ながら、資料とかを吟味しない以上、それは構造的にあると思います。

ですが、(こういうぼやきをしている時点で老害化しているのかもしれませんが)ディベートは机上の理論であってはならない、というのが僕の考えです。
変なロジックでも話していくことは、ディベーター・ジャッジ両者に責任があることでしょう。
あまりにも現実離れしているロジック、嘘のFactあたりに関しては、ディベーターはそもそもそんなことを言わないことが求められるはずですし、ジャッジとしてもAverage Reasonable Personとしてそれをキックアウトすることが大事でしょう。(ここはかなり丁寧な議論が必要になりますが……)

なんだかぼやいてしまいました。苦笑 話を戻しましょう。

ディベートにおいてリサーチは非常に大きな意味を持ちます。
・Argumentを思いつきやすくなる
・Argumentの説得度をあげる
・ロジックのTie breakerをExampleでつけることができる
等などなど。

今はBPの季節ですが、Case Setudyでも十二分にExtensionになりうるというのはBP Novice 2011 Official Websiteにも書いてある通りです。
僕の感想なのですが、国際大会でもやはり強いチームはリサーチをしています。
例えば、今年のNEAOを優勝したChung-Ang大学も、リサーチファイルを持ってラウンドしていました。
僕自身も、国際大会で評価されたのはFactをしっかり言えたラウンドが多かったです。

これはまた僕の勝手な予想なのですが、BPのジャッジの仕方が徐々に成熟し始めたり、ディベーターのロジックの強度で優越がつけられなくなる日がそう遠くない日にある気がします。
そうなった場合、リサーチが大きな意味を持ってくるでしょう。
(この予想が外れたらどんまいですが 苦笑 それとは関係なしに、とりあえずリサーチは大事です。)

◇ ◇ ◇

「リサーチ」というと相当ハードルが高いようです。
IRって分からない、何から調べればいいの、時間がかかる……というような声をよく聞きます。
僕自身、あんまりリサーチをすんごく積極的にやっているか、というと怪しいのですが、僕のメソッドを紹介します。

僕は、「脱完ぺき主義者」がキーワードだと思います。
リサーチというと、これも知らないといけない、あれも調べよう、徹底的に日付や名前まで・・・とやりたがったりします。
したがって、調べることすら億劫になったり、調べ始めても途方にくれるパターンがあるようです。

そもそも、1日や2日で、EUのことが全て分かることも、パレスチナ問題のプロになることも、無理でしょう。苦笑
(世の中にはそれくらい頭のいい人もいると思いますが、少なくとも僕はきついです。)
そんなことができたらたくさんの人がアカデミックな道に進んでいると思います。

では、どうすればいいのでしょうか。
BP Novice 2011のGeneral Commentsでも話した内容なのですが、「復習」をしていくことが大事になっていきます。
つまり、やったモーションを、20分くらいでいいので少し調べてみる、この繰り返しにつきると思います。

最近はスマートフォンも大分ポピュラーになってきており、ちょっと調べることは相当容易のはずです。
ちょこちょこっとやったディベートのキーワードを調べたり、一個事例が出てくるだけでもいいでしょう。

ここでのコツは、「どうやってディベートで使うのか?」を考えながらリサーチをすることです。
単純にデータや統計がでてきたとしても、ディベートで使えなければアカデミックに意味があったとしてもディベート的には意味をあまり持たなくなってしまいます。
せっかくのデータなので、どう使用するかを考えてリサーチしましょう^^

最初は分からないことだらけかもしれませんが、ディベートができる分野というのも実は結構限られています。
一つのExampleが本当に様々なディベートで使用できたりしますし、1回基礎知識があると、そのあとに積み重ねていくことは相当楽になりますので、
最初がちょっとつらくてもはじめてみるといいでしょう。

あと、部内でリサーチを共有するシステムを構築している大学は、日本国内でもいくつかあるようですが、それをする場合は特定の分野に詳しい人に聞くのもありでしょう。
僕自身、経済関係に関してはOBのI戸さんや、国際関係に関しては後輩(!!)のF元君などにコバンザメさせてもらっています。
そのかわりといってはなんですが、自分の得意分野に関してはシェアしているつもりですが 苦笑
一人だとリサーチは長続きしないこともあるので、仲間をつくっていくのも大事ですね。

総論っぽい感じですが、これが基本にあると思います。
リサーチの仕方は人それぞれだと思いますので、後は自分のやり方を模索するといいでしょう^^
では、今日はこのへんで。


加藤彰
東京大学法学部3年、2010年度UTDS部長、2011年度監査、BP Novice 2011 Chief Adjudicator。Spring JPDU Tournament 2011を含む4回の優勝、13th ESUJ・Japan BP 2011を含む7回の準優勝、North East Asian Open 2011 Main Semi Finalist、20th JPDU Tournament Best Speaker等。

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