2011年12月31日土曜日

オフシーズンの過ごし方と指導について 後編

【指導について】
練習会などを通して母校を初めとしてなるべく多くの大学に関われるようにしていますが、その際に気をつけていることをここからは書かせていただきたいと思います。
まずは、相手の段階と特徴をしっかりと掴むことだと思います。厳しいことを言うと凹んでしまう子に厳しいことを言っても効果は薄いですし、逆に自己評価が低い・厳しい人を褒めても反発してしまうなどfeedbackは難しいと思います。また、仮に厳しいことを言うにしても、信頼関係のないところでいってもほとんど効果はありません。反感を生むだけです(それが成長のエネルギーになればいいですが、そんなサイヤ人みたいな精神の人ばかりではありません)。なので、なるべくコミュニケーションを取って相手を知り、自分を知ってもらい、自分の人柄を信頼してもらうことを優先して欲しいと思います。
個人的な経験から考えると、伸びるなーという子は質問などを通してよく話していることが多くて、伸び悩むなーという子はそういうことをしない傾向があるのかなと思います。伸びない子はいなくて、時間差があるだけとは思うので、指導の際には諦めずに粘り強く見ていくことが大事だと思います。時には褒め、時には叱りながら信頼関係を作っていけば、話も聞きやすいと思いますし、何をすべきなのかを教える側も把握しやすいと思うので才能だとか変なラベルを貼らずに気長に成長を見てあげて欲しいなと。
例えば、最後の最後で2008年度のESUJを予選1位ブレイクした人は縁もあり、色々と関わってきたんですが、これは練習会以外でも、Mixiのメッセージなどで質問を度々してきて、それを添削して返すということを繰り返すなど地道な努力を繰り返してきた結果が最後に花開いた形だと思います。これは教える側が諦めなければ、何かしらの結果は出せるのかなと思った一番の実例です。

最後にこれはJudgeとして辞めておこうという部分についても触れておこうと思います。色んなJudgeを見ていてDebaterの一番やる気を削いでいると思えるJudgeの発言は「わからない」というものです。理由が明確化されていない「わからない」ほど聞いていて気持ちの悪いものはありません。Debaterとしては20分準備をしっかりして、一生懸命説明した結果が「わからない」の一言ではやってられません。「~がないからわからない」、「英語が早すぎて理解が出来ない」、「現状が~だから、それとの差がわからない」など「わからない」にしても何種類も可能性がありますし、Debaterが次に向かって進めるようにしっかりとDirectionをするのもJudgeの仕事だと思います。

 DebaterにProblem/Causeを提示させて、Solutionを示せと言うならば、JudgeもDebaterのProblem/Causeを提示して、Solutionまで導くことがJudgeのAccountabilityだと私は思います(もちろん、全部教えずに方向性を示して考えさせるのは重要ですが) また、Feedbackの際に「君達、ダメだね」という関連の指摘はやっている側はわかっているので再認識させる必要はよほどの場合じゃない限りは必要ないと思います。弱っているとこに止めをさすよりかは、いかに気持ちを盛り上げてどうやって同じことをしないか、次につなげるかに時間をかけた方がよほど建設的です。自分のイライラをDebaterにぶつけて解消しても何にもならないですし、信頼を失う原因にもなります。百害あって一理なしです。

【まとめ】

一杯書いたので、まとめますと、
1.オフシーズンにも継続的に練習しましょう。差をつける/埋めるためにもです。ラウンドは無理でも個人で出来ることはたくさんあります。

2.指導をする際は相手を知り、自分を知ってもらいましょう。信頼関係第一です。
Judgeなどを通して粘り強く指導すれば、伸びない子はいません。
JudgeのAccountabilityを果たしながら、建設的なfeedbackをしていきましょう。


ということですね。

末筆になりますが、この記事を通して少しでも今後のDebate界の発展につながればと思います。大会などで顔を合わすことがあれば、またよろしくお願いします。

出利葉貞弘
Gemini cup(2005)3位、The関西(2006)優勝、濱口杯(2006)3位、秋JPDU(2006)ベスト16、ICU-T(2008)ベスト16、Golden cup(2008) 優勝、Golden cup(2009)3位、ディベートのすすめ(2009)ベスト8、The関西(2009)3位、東工大杯(2009)ベスト8、BP novice Kansai 2nd Best adjudicator (2011)/Breaking adjudicator(本選不参加)

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