2011年8月19日金曜日

Gemini Cup 2011 Motion解説 Part 2



R3: THBT Latinos should have the right to be taught in Spanish.
このモーションは、アンケートで「難しい」という声が多かったように、最後まで出すか出さないか迷ったモーションです。難しい理由は、別に人が死ぬわけでもない、しかも日本人には縁のないように思えるからだと思います。ただ、教育が絡んでいる点から、ある程度は分かりやすいかなと思い、出しました。主なスタンスですが、Govはもちろん、Oppも多文化主義を否定する必要はありません。Govの主なケースとしては、ヒスパニックの文化を守る上で重要であるというものです。クリアしなければならない前提は、米国政府が多種多様な文化を尊重してきたこと、文化を守る上で言語が重要であること、世代間の文化の継承には教育が重要であること等でしょう。この辺は、米国が唯一の公用語として英語を定めていないこと、公用語を英語とした政策に違憲判決が出たこと、スペイン語が広く使われていることなどを例として使えると思います。Govは文化だけではなく、ヒスパニックコミュニティ内で生きていくであろう子の将来にもいいという議論もできるかもしれません。Oppとしては、同化政策を支持するのは感じが悪いので、長い時間をかけて文化間の理解を育む真の多文化主義を支持し、そしてそのためには共通の英語というツールが必要という見せ方をしたほうがスマートだと思います。他にも、スペイン語のみで育った生徒の様々な機会を奪うことになるというハームは現実的だと思います。教育の役割をここで付け加えると更に強いです。

R4: THW introduce plea-bargaining.
このモーションは割と簡単だったのではないかと思います。対立軸は明確なので、ブレイクのかかったR4に持ってきました。モーションのワ―ディングには含まれていませんが、主に対象となるのはマフィアや企業などの組織犯罪だと思います。Govでそれに限定してもアンフェアではないでしょう。他にも、無罪にすることはないけど減刑はある、何をしたら減刑などのデフィニションを詰めることが求められています。Govとしては、減刑することは必ずしもベストではないけど、功利主義的立場から、この先多くの命を救えるなら正義と言うしかありません。押さえるべき点は、証拠が不足していることが多いこと、そして何より証言を得られることでどれだけの効用があるかです。同じ組織による犯罪はもちろん、他の組織による他の犯罪も防げるというと大きくなります。麻薬や人身売買や銃による被害の深刻性は当たり前ですが、しっかり押さえておかなければなりません。他にも、有罪にするには十分証拠がない人に罰を与えられるという議論も可能だと思います。Oppとしては、たとえ他の犯罪を防げるとしても、被害者への正義を犠牲にすることは許されないというスタンスが固いと思います。また、偽証の可能性が高いことなどを挙げ、司法取引の有効性に穴を開けることが重要です。これは反論だけでなく、無罪の人間に罰を与えるということで、冤罪というハームにも繋がります。モラルハイグラウンドはOppにあるので、それを大事にしながら戦うことが重要です。

拙い文章の上、書いていくうちにだんだんと文章が短くなるという疲れた感じですいません。少しでも参考になれば幸いです。

(続きます)


高柳啓太
国際基督教大学3年。ICUDS現部長。 North East Asian Open 2011 DCA, Hong Kong Debate Open 2010 Champion, NEAO 2010 Quarter Finalist & 6th Best Speaker, Australs 2011 ESL Semi Finalist11th Gemini Cup Chief Adjudicator, 20th ICUT Deputy Chief Adjudicator, JPDU 2回準優勝、2回Best Speaker。

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