2011年8月6日土曜日

Gemini Cup 2011 Motion解説 Part 1

―このブログでは、はじめましてなICU3年の高柳です。
この度は加藤に声をかけていただき、書くことになりました。
今日は、Gemini杯から何カ月も経ちましたが、モーションを振り返るということをしたいと思います。

R1THW legalize bestiality
大会のアンケートで、「R1からこれはきつい」や「出題者の性的嗜好がわかった」など、厳しい意見や面白い意見をいただいた問題児モーションです。このモーションは、簡単にいうとFree ChoiceAnimal Rightsが絡むモーションとなっています。CAをやることが決まった当初から、純粋なLiberalismモーションを必ず1つはいれたいと思っていました。大会前日くらいまではTHW legalize all drugsが有力候補でしたが、なんか古典すぎてつまらない、Animal Rightsのモーションがあってもいい、という2つの理由から、これにしました。

Govとしては、人間にとって性生活は幸福を構成する重要な一部であり、あるマイノリティにとっては動物との性交渉でなければならないというのが大前提となります。次に、人間とは違って動物には権利がないことと、現状で人間への利益を優先している例の説明でしょうか。Govとしては、獣姦が昔から存在していたことを言ってもいいかもしれません。Oppとしては、動物にも権利があることが前提となり、そして大多数の場合で動物の同意のない獣姦はただのレイプであるというのがケースになると思います。動物に権利がある理由、そして動物を守る法律の例が必要となります。あとは獣姦をしたがる人間にMentally illな人が多いことを挙げ、権利を行使するcapacityがないことを指摘してもいいと思います。他にも多数の人間に不快感を与えることや、衛生上の観点から人へのHarmがあること等を言ってもいいですが、この2点はそこまで強くはないでしょう。このディベートで問題になるのは、既に存在している動物を守る法律がAnimal Rightsをもとにしたものなのか否かという議論です。「Animal Welfare」という概念が鍵となるので、調べてみてください。


R2: THBT developing nations should nationalize their natural resources.
このモーションは昔のWUDCで出たモーションで、僕の好きなモーションでもあります。現実世界でも「資源ナショナリズム」として知られているように、争点は明確です。経済における政府の役割で真っ向から対立する中、途上国政府の特異性、天然資源が問題となっていることの2つの要素が絡まるという構図になっています。Govは天然資源によって得られるはずの利益が多国籍企業(MNC)に独占されているというSQが出発点となります。天然資源が有限であること、それにも関わらず短期的利潤のみを追求するMNCによって搾取されており、途上国は資源が枯渇した際に経済発展の術がないという見せ方をすると更に分析が深いと思います。べネフィットとしては、途上国政府の財源確保、強力な外交交渉におけるカード等が挙げられると思います。例としては、近年みられたウクライナに対するロシアの天然ガスの供給停止、石油危機でOPECの取った禁輸政策が適当かもしれません。OppSQを支持してもいいですし、MNCとの間に利潤を分割するなどの決まりごとを作ってもいいと思います。どちらにせよ、国有化は一般的に非効率を意味し、経営の透明性も技術やノウハウも欠ける途上国政府の場合、大きな減産を招くというのがケースだと思います。最近の例だと、ロシアのガスプロム、チャベス政権下での国有化や、ボリビア政府(大統領の名前忘れました、調べてください)による国有化が挙げられます。他に出る議論としては、政治の不安定化、労働環境の悪化があると思います。政治の不安定化というのは、癒着という可愛いものから、クーデターまで指します。労働環境に関しては、Govも言えると思うので、クラッシュすると思います。

(続きます)

高柳啓太
国際基督教大学3年。ICUDS現部長。 North East Asian Open 2011 DCA, Hong Kong Debate Open 2010 Champion, NEAO 2010 Quarter Finalist & 6th Best Speaker, Australs 2011 ESL Semi Finalist11th Gemini Cup Chief Adjudicator, 20th ICUT Deputy Chief Adjudicator, JPDU 2回準優勝、2回Best Speaker。

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