2013年2月28日木曜日

Whipをはじめてする人へ その4


番外編

こんばんは。Asianの大会ではやくも1年生チームがブレイクするというとっても嬉しいニュースが飛び込んでくる今日この頃ですね。その一方で、「あのー今度の大会でWhipをするかもしれないんですけれども…」というちょっと不安な声も聞こえてきます。今回は前回までと体裁を変えてよく聞く質問について、少し書いてみたいと思います。

   Whipってプレパ何したらいいんか分からないんですけど。」
       「Whipっていつ原稿とか用意したらいいのか分からないんですけど」
      WhipってNewを話すべきなの??話しちゃいけないの??

    

 

よくある質問 第1位「Whipってプレパ何したらいいんか分からないんですけど。」

 

 確かにAsianのプレパは30分と長いですし、OWだと結局motionリリースされてから話し始めるまで1時間以上あと。しかもRefute専門~なんて考えていると相手の出方次第だから何したらいいのか分からないなあなんて考えてしまうかもしれません。

 ですが…

大切なこと=Whipだからといって特別なことは何もない!!という意識を持つこと

 前回まで書いてきた内容をよろしければ思い出していただきたいです。Refuteをする場所について考える時に使った概念等は決してRefuteに特化した概念ではなく、コンスト、というよりはDebate全体をマクロに見る時にも使う概念だったように思います。プレパが始まって考えることは今までのプレパと大きくは変わらないはずなのです。Whipもスピーカーの一つなわけです。

 

 これを読んでくださっている方は、いつもプレパが始まる時に何から考え始めますか??

私は、なんでこのmotionなの??このmotionなんなの??ということをBPでもNAでも最初に考えていました。それなのに初めてWhipをさせてもらった時の大会では、プレパが始まった時に何か特別なことを考えなくちゃいけないと焦ってあわてて相手の言うこと個々について考え始めてしまったりしていました。しかし、よく考えてみると、今までの自分なりのプレパにおける思考の方法とか順序とか、そういうものが一定あるにもかかわらず、ロールが変わったからといって、むしろ慣れないロールをしているのに、いつもと違う思考方法をするというのは二重の非効率のもとだったようにも今になっては思います。ですから私自身はAsianWhipをする時にも必ずなんでこのmotionなの??このmotionなんなの??と、とりあえずは考えることにしています。

 

 ロールを変えたことでプレパまで大きく変えなきゃいけない、そう考えていませんか??

ロールが変わったからといってディベートでやらなきゃいけないことは変わらないはずです。

 

質問への答えは

Whipのプレパと身構えずに、今まで通りのプレパに立ち返ってみてください

②プレパで焦るのがいやなら、自分がmotionを見てまず最初に何を考えるのかを決めておいてみてください

 そうすることできっと焦って無駄な時間を過ごすこともないでしょうし、そのラウンドにおいて何をかんがえなくてはならないのか、見えやすくなってくるかもしれません。

 

 

よくある質問 第2位 「Whipっていつ原稿とか用意したらいいのか分からないんですけど」

 たしかにRefuteをする比率が多い以上、相手の言ったことをカンファメしてRefuteしてクラッシュに組み込んで…となると忙しいですよね。直前に準備したいものの、ラストのスピーカーである以上、直前のスピーカーへの反論はドロップできないから聞かなきゃいけない(これはかなり重要なロールの一つだと思っています。)

となると、一体いつ準備したらいいのか分からなくなってしまうのも当然なんじゃないかな、と思います。

 準備ができない、という切迫感の裏には、Whipはやることが多いし直前まで用意できない、という観念があるかと思いますが、これが本当なのか、少し考え直してみてください。

 

  以下大まかなロールベースで見ていきましょう。

 クラッシュ…プレパ中に大まかに予想できたら、ラウンドが始まってからあわてて考える必要はありません

よね。じゃあどうやってクラッシュを予想するのでしょう??

 

 原理的に考えれば、クラッシュは相手と自分がぶつかるところである以上、LOが最初に反論するところがクラッシュになるはずです。(だからプレパ中にクラッシュについて考えられなかった、どうしよう、という時にも、相手が上手なLOなら最初に時間を割いて反論した所に注目すれば自然とクラッシュは見えるはずです。)

 クラッシュを予想するのは経験に基づく場面もあります。この時に役立つのはJudgeさんにもらうリフレクです。Judgeの方がクラッシュベースでRFDを言う時それにしっかりと耳を傾けてください。ここに言うしっかりと聞くというのは、ただメモをとって頷くとかそういうことではなく、なんでJudgeの人はこのクラッシュをクラッシュにしたのだろうか??と他の言動の端々から考えるということです。そして自分の見方とどう違うのかを考えるということです。

 勿論そうした原理や経験を積むというだけではなく、

 個人的に大切だと思うのは、それらを自分が使える形として、持っている、ということです。

 個々のroundを復習することは絶対に必要だと思いますが、そこだけにとどまっていてはそのほかのroundには対応できない、ということになります。つまり一つ一つのroundから一定の捨象、類型化を行ったうえで自分なりの形を持っておけば、Motionが始まってからああでもない、こうでもない、と考えずに、自分が類型化した枠の中で当てはめてみたり、その枠を基本として考えてみることも可能なのではないか、と思います。

  そしてこの作業はmotionがリリースされる前に完了できる作業のはずです。

 

もちろん、クラッシュは予想するだけのものじゃなく、作るものでもありますから、パートナー

とこのディベートはJudgeの人にどう見てほしいのか、という部分について、十分に協議する必要があります。これはmotionがリリースされてからでないとできない作業ですが、この作業でさえも、プレパ練などを通じてパートナーとの思考や相性なども考えることが出来れば

一定はmotionがリリースされてからの負担を減らすことが出来るかと思います。

 

   反論…確かに相手が言わなきゃ反論は予想できない、と考えがちですが、決してそうではないと思います。

      ここで注意していただきたいのは、数うちゃあたる方式から的を絞る思考に転換することです。

      相手の言うことを枝葉末節まで予想してすべて切りきるスーパーディベータ―の方もいらっしゃると思いますし、実際私はいらっしゃると思っています。ただそれをみんながみんな最初から出来るわけではない。だからこそ、本当に太い相手のlogicはどこなのか、と考えてそこへのRefuteを集中的に行うことが必要とされているのだと思います。簡単に言うと、優先順位の問題です。

やることが多いと思うなら、やるべき反論に優先順位をつけましょう。

      この優先順位の付け方はこれまで説明してきた概念(Bottle Neck)等で考えることも可能だし、直感的に相手のここが強いな。ここが分かりやすいな、と思う部分がおそらく優先順位の高いRefuteの部分になるのかと思います。こうした部分について一度に考えることは確かに不可能ですが、概念や考え方について、身近にいる先輩に質問したり、練習の後、リフレクを振り返りつつ、優先順位をつけなおすなどしていくうちに、少しずつ優先順位は的確につけられるようになるのではないかなと思います。

      優先順位がつけられれば、その順位の高いところへのRefuteをプレパのうちにいくつか考えておくことも可能かと思います。そうすることでラウンドを見る際に一定の軸が出来るし、ふわっとした話になりますが、まだ何も準備できてない、という心構えよりは少しゆったりとした心構えでラウンドに臨めるようにも思います。

 ここに列挙したのはあくもでも一例です。

  人によって課題が違う以上、ラウンド前に準備しておかなければならない事も違うとは思います。

    ただここで強調したいこと、そして質問の答えはすごく単純で

  いつ用意したらいいか分からないほど、直前が忙しいのなら、むしろmotionリリース前に自分なりの、そして自分だけもプレパをして見るのもいいのではないでしょうか??

ということです。

 

よくある質問第3位 「WhipってNewを話すべきなの??話しちゃいけないの??

 

 こんなリフレクをしてもらったことはありませんか??

  Whipが何も新しいこと言わなかったよね、繰り返してただけだよね?」

  「WhipからのmatterNewすぎて取れない、あまり強く考慮できない。」

 

 私は去年こういったコメントをリフレクのコントラだと密かに呼んでいました。Newなことを言っても

言わなくてもだめ。結局はバランスが大切という、初心者には正直何の助けにもならない結論にしか到達しない。そこで少しリフレクを解体して考えてみましょう。

 

Whipが何も新しいこと言わなかったよね…‘何も’

→直前のスピーカーに対する反論は、それがスピーチの一部であってもNewになるのでは??

 

繰り返してただけだよね…‘繰り返し’

 →ワーディングを変えるだけでも繰り返しではなくなるのでは??

  パートナーが言ったことを、相手とのコンペアの形式で示すだけでも繰り返しにはならないのでは??

 

matterNewすぎて取れない…‘すぎて’

NewでもNewすぎなきゃとれる

 NewmatterNewっぽくなく見せる

 (相手への反論の形で示すことは、これまでのroundと絡んでいる感じを出せる点でNewっぽくないのではないか??)

 

このようにJudgeの方のリフレクを考えたり、繰り返し見直したりしていくと、そのコメントが決してコントラなどではなく、それぞれが指すNewが性質的に異なっていること、そしてNewの性質は見せ方次第である程度操作可能なのではないか、と考えられます。

 

上記のように考えた私個人として思うのは

 

 WhipNew matterを必要ならどんどん出すべき、それがラウンドにおいて必要ならそうするべき。

 必要なことがベンチから出なきゃ、いずれにしろ負けてしまうので。

 勿論不必要にNewを出すことよりは、直前のスピーカーの‘New’な部分に丁寧に反論するべき。

 

 ただそうしたNew matterは、

 それまでのroundと何等かの形で絡めることでそのNewという性質を和らげることが一定可能で、

 絡める、という典型的な形態が反論になるのではないか 要はデリバーの問題

 

という所です。

ここの部分に関しては、自分なりにある程度納得できる基準を持って、ラウンドをしてみて、そしてラウンドの後にリフレクをもらって質問して、そういう過程で自分なりの基準を修正していくのが良いのではないかな、と思います。私自身も軌道修正の最中で、まったくをもって短い言葉で質問への答えを表現することができないのですが…

 

以上、なんとなくですが、よく聞く質問、そして自分自身が去年の今頃よくしていた質問とそれに対する見解を書いてみました。前回までの記事よりも個人的な見解や主張が強くなってしまいましたが、それでもこうした一つの主張などが、Whipを考えたい、と思った時の一つのたたき台になればいいな、と思います。

 
読んでいただきありがとうございました。

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