2011年7月29日金曜日

Pre Icho Cup 2011 モーション解説

こんにちは、加藤です。

少し内輪ネタになってしまうかもしれませんが、今年の春に行われたPre Icho Cup 2011のざっくりとしたモーションの意図について話したいと思います。

個人的には、DCAの富田さん(UT 3年)と協力してつくりあげた自信作(?!)なので、是非練習でもご活用下さい。笑

ちなみに、銀杏杯の公式サイト はこちらからどうぞ。


Round 1: Twisted Classics
THW allow companies to refuse to hire smokers. 
THBT EU should sanction its members that allow prostitution.
THBT cosmetic surgery should come under national health insurance.

Round 1は2つの基礎を理解し、その2つをしっかり繋げられるかを試しています。
参加者は新2年生も多かったので、
①基礎をもう一回確認して欲しい
というメッセージと、
②1回過去にやったモーションを、ほかのモーションと関連づける作業をして欲しい
というメッセージが込められています。

わざわざ言わなくても分かると思いますが、
1つ目は、tobacco(lifestyle choice)とcompany's right
2つ目は、prostitutionとEU(organization's right)
3つ目は、cosmetic surgeryとnational health care(to which extent should government concern with health?)
をあわせるものです。
見てお分かりの通り、前者(タバコ、売春、整形手術)は絶対に1回はやったことがあるはず古典モーションのはずです。
なお、2つ目は筆者のオリジナルモーションです。

Round 2: First Nations
THW let go of dying languages.
THW prohibit Inuits from hunting whales.
THBT indigenous people convicted of a crime should be sentenced traditionally by their own community.

これは、いわゆる「先住民」にスポットライトをあててみました。
日本ディベート界(正直なところ、日本全体として)こういったマイノリティに関して考える機会が少ないと考えており、彼らについて考えて欲しかったんです。有名どころは、カナダ、アメリカ、オーストラリアあたりをチェックしてみましょう。

ディベートのテクニカルなことを言うのであれば、「文化」系モーションをしっかりと話せるようになって欲しいというメッセージ性が込められています。

Culture is important!!  Culture is a part of identity!!と叫ばれて納得するジャッジは少ないです。なぜ文化が大事なのか、それには伝統があったりだとか、日々の生活に直結しているだとか、様々な理由があるはずです。

なお、Inuitsはカナダの北部に住む先住民です。少し調べてみる価値はかなりあるので、是非リサーチをかけてください。

DCAの富田さんとも話し合ったのですが、(DCAもカナダに滞在していました)カナダでは結構当たり前のように教えられる内容で、普段から意識される内容です。
僕はカナダで"first nation"の子と一緒のクラスでした。そのくらい当たり前なんですね。
なお、2つ目は筆者のオリジナルモーションです。

Round 3: International Justice
THBT western liberal democratic countries should punish communication companies which cooperate with oppressive governments’ censorship policies
THW grant an immunity to dictators who voluntarily step down.
THW invade Libya.

IRですね。国際関係は大事ですよね。
これは、ちゃんと事例をリサーチをして欲しいというメッセージを込めてあります。

1番上は昔話題になった中国におけるGoogle等(ちょっと色あせてしまいましたが)で、
下の二つは当然、リビア等、今話題の独裁者の話ですよね。
"immunity"に関しては基本であるCriminal Justice Systemともつなぎあわせて話すこともできるでしょう。
なお1番下は、当時あったOpposition Movementに関してしっかりリサーチがなされているかも試されます。



Round 4: Radical
THW grant all higher primates rights equivalent to those of human children.
THW make the post-mortem donation of organs compulsory without exception.
THW physically castrate sex offenders.

おそらく、テーマがRadicalということは今までなかったのではないでしょうか 笑
ようかと2人で「とりまRadicalにやってしまおう」というコンセプトに一致しました。
Hard Caseの重要性をしっかりと理解して欲しい
、というメッセージが背後に有ります。
変にSoft Stanceをとると、結局何を守りたいのか、非常に不明瞭になったり、根本的な問いを立てることに臆病になってしまいます。

1番上は「人間の権利って何?」2つめは「身体の所有権はどこまであるの?」3つ目は「犯罪減少のためにどこまでやっていいの?」
という、スペクトラムの一番端まで強制的に考えさせることに目的が有ります。
Oppositionも結構それを考えないといけず、かつGovの「やっていいじゃん」という開き直りスタンスにしっかり言語化して対応できるか、
またFlexibleなスタンスをとれるか等が試されています。

Break Roundは、結構基礎的な分析をしっかりと出せるかがカギのモーションばかりなので、省きます!

いかがでしたか?
全員がラウンドをすることができる予選には様々なメッセージを特に込めたつもりです。
おそらく、どこかで僕(とDCA)の価値観やディベートに対する考え方を反映しているものだと思います。

まあ、結局は、ただの戯言でしかすぎないのですが、参加者に少しでもこういった意図が伝わっていれば・・・幸いです。

加藤彰
東京大学法学部3年、2010年度UTDS部長、2011年度監査、銀杏杯 Founder。Spring JPDU Tournament 2011・Ryoso Cup 2010・15th Umeko Cup優勝、13th ESUJ・Japan BP 2011準優勝、North East Asian Open 2010 Main Quarter Finalist、20th JPDU Tournament & Debate no Susume 2011 Best Speaker等。

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