2011年7月23日土曜日

Sping JPDU Tournament 2011 モーション解説(後編)

 前回の続きです)

QFthemejusticeTHBT ICC should prosecute for the crimes against the democratic process.”を出しました。2010年末頃から湧き上がってきたコートジボワールのバグボ氏による選挙操作などが元ネタです。

ICCが主体になるモーションは海外でもとても出題率が高かったのでぜひ入れたいなと思っていました。まずはICCの行動原理や目的、過去に行動した例をしっかり分析、説明する必要があります。http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/icc/pdfs/icc.pdf に結構詳しく掲載されてますので参考にどうぞ。そしてそれらの原理が、なぜ民主的なプロセスに反するような犯罪のケースにも適用されるかを、すなわち過去の事例と同様に起訴の対象となるかを説明しなければなりませんね。



SFthemeは文化。あまりメジャーでない分野で、最近出題されていないように感じたので出してみました。あまりいうことないです笑



GFthemeDisasterにしました。東日本大震災の直後ということで、災害をテーマに入れたいと思って出しました。実際にラウンドが行われたのはTHBT the state should not pay for the reconstruction of areas prone to repetitive weather disaster.”でしたが、これは注意しないとAffは「被災者見捨てる」っていうスタンスになりかねません。再建を手伝わないんですからね。そこで「ミスチョイスを防ぐために、危ないところに住むことをdiscourageするプランだ」というスタンスを示すのがミソだと思います。(実際のGFはその通りに進んでいましたね)このように、一見聞こえの悪いプランの時に、何か別の言い方がないかという考えを持つことは大事じゃないかなと思います。


モーションの解説はこんなもんですかね。

最後にジャッジしてみた感想を

大会の最後でも言ったんですけど、やっぱり「地に足の着いた」スピーチを意識してほしいなってことですかね。よいアイデアは出てるけど、アイデア止まりなスピーチ、アーギュメントが多かった。だからなんとなくふわふわした内容に終始していた気がしました。

地に足の着いている状態ってのは現実的であるってことです。ジャッジが「うん、そうだよね」ってうなずいてくれるのは、実際に起こりそうなこと、実際広く受け入れられている考えですからね。じゃあ実際に起こりそうなことって何を言えばいいのか?

答えは簡単、具体的にしゃべればいいんです。具体的ってのは目に見える、容易に数や程度が想像できるレベルのことです。

例えば、どのプランでもだいたい行動を起こす人(国、団体)と行動の影響を受ける人(国、団体)がいますよね。彼らにはどんなタイプがいて、どんなポジションにいて、どんな行動原理で動いていているかっていうのを説明するというのは一つの手です。

GFのモーションを例にとりましょう。このプランで災害の危険にさらされやすい地域から引っ越す人と、それでも残る人にタイプ分けできます。残る人ってのはおそらく、「残らざるを得ない人」が多く含まれます、それはたとえば身寄りのない老人や、引っ越すだけの土地や財力、体力のない人といった、社会的に極めて弱いポジションにいる方たちだと思います。さて、そんな弱い立場の人たちがこのプランの後に災害に遭うとどうなるでしょう?財力のない貧困層と、動けない老人たちが災害で家を失い、病院や学校を壊され、路頭に迷う。自分たちだけではとても復興などできない。しかし国や自治体からは一切再建の援助はない。これは「実際に起こりそうな悲惨さ」です。

さて、僕からの話は以上で終わりです。何かみなさんのお役に立てる話が少しでもあるといいなと思います。

小口昂雄
東京工業大学修士1年、Titech ESS 2010年度チーフ。Spring JPDU Tournament 2011 Chief Adjudicator。4th Supernova Cup準優勝、19th & 22nd JPDU Tournament Quarter Finalist、Elizabeth Cup 2010優勝&Best Speaker。 

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